前回、エンジンのオイル漏れ対策としてシリンダーヘッドやオイルパンを外し、ガスケット交換にむけたクリーニングやオイル汚れのメンテナンスを実施した「トヨタ AE86(ハチロク)」。
今回は、エンジン分解時にサビや汚れで40年の古さを感じる印象であったインマニなどのエンジン補機類に関して、再びエンジンを組み立てる際にパキッと仕上がるように、サンドブラストで美観を復活させていく様子をお届けしようと思います。
まずはこちらのドライアイスクリーナーを試してみます。
通常のサンドブラストはガラスビーズやアルミの粉を吹き付けて表面のサビや汚れを落としていく手法のため、しっかりと密封された空間で、かつ対象物で粉が入り込んではいけないところはしっかりとマスキングして作業する必要があるのですが、このドライアイスクリーナーはすぐに無害な状態で蒸発するドライアイスを対象面に吹き付けて汚れを落としていくクリーナーとなります。
どこまで落ちるのか楽しみです。
機械にドライアイスをセットして吹き付けていきます。
プラスチック製のカップリングファンや
サビのなかったエアコンコンプレッサーはしっかりと40年の蓄積された汚れを落とすことができましたが
その他のエンジンパーツは表面のサビが進行している部分もあり、ドライアイスクリーナーでは落とすことができませんでしたので
金属パーツをサンドブラスト処理をしていくこととしました。
先にも少し触れましたが、サンドブラスト処理とは、コンプレッサーで作った圧縮エアーを使って、砂やガラス、アルミなどの研磨材をノズルから噴射させ、対象物表⾯へ物理的に研磨処理を行う方法です。今回はこのサンドブラストでエンジンパーツ表面のサビや落としきれない油汚れをキレイにしていきたいと思います。
まずはディストリビューターから
金属面だけに分解し
研磨材が入り込んではいけないところをマスキング。
このマスキングが不十分だと、パーツそのものが不具合を起こす可能性がありますので、慎重にしっかりと。
準備が整いましたのでブラストキャビネットの中に入れ
ブラスト処理をしていきます(キャビネットの中とつながった手袋を利用して吹き付けていきます)。
ディストリビューターのブラスト処理が終わりました。
めちゃくちゃキレイに仕上がりました!
新品とはいきませんが、表面の黒ずんでいたサビと汚れの入り混じったものがほとんどとれて、メタル感がパキッとしていますね。
続いて、サビが一番ひどいエキマニをトライ。
これは行けるんでしょうか?
マスキングを行い、
先ほどと同様キャビネットへ
さっきのディストリビューターとは異なり、エキマニはブラスト対象面が広く、またサビも激しいので、時間が結構かかります。
こちらはキャビネットの中から。左側のエキマニは右に比べて赤くなくなっているのがわかりますね。
サンドブラスト処理で表面のサビが研磨されている証拠です。
仕上がりました。
これはすごい!
全体サビが浮き出ていたエキマニが、サビがとれ黒銀の重厚感が復活しました。
同様にインマニや
ブレーキマスターシリンダーは分解&ブラスト処理後、
中のパーツも新品に交換しオーバーホールしました。
エキマニカバーや触媒カバーも
マウント類はこの後黒に再塗装していくために、下地処理としてサンドブラストで塗装をはがしておきました。
ということで、エンジンパーツのサンドブラスト処理が終了しました。
めちゃくちゃメタル感が復活しました。
エンジンを組み立て、エンジンルーム内に乗せたとき、どれくらいいい感じになっているか楽しみです。
次回はエンジンパーツの美観復活として、カムカバーの塗装の様子をお届けしようと思います。
「ソフト99 AE86 1984 再生プロジェクト」次回もどうぞお楽しみに。