みなさんこんにちは。
今回は「トヨタ AE86(ハチロク)」のボディ鈑金の仕上げの様子をお届けしたいと思います。
前々回でボディの鈑金がほとんど仕上がった「トヨタ AE86(ハチロク)」ではありますが、1か所、凹みがひどい部分だけは少し時間がかかるため残った状態でした。それがこちらの傷です。
こちらの激しい傷をキレイにして、鈑金を仕上げていきます。
まずは、作業がしやすいように車体をジャッキアップし、
凹み部分を研磨します。
研磨できましたら
この、目で見てわかるような凹みを鋼板ごと引っ張ってある程度面を出していきます。
車体の逆方向を固定し
ここで登場したのはスタッド溶接機!
車体の大きな凹みを引っ張り出すための溶接用機械です。
凹みの範囲が広いため、ラインを出すためスタッドリングを溶接し、広範囲を一気に引っ張り出します。
20cm程度の幅にスタッドリングをつけ
準備が整いましたので
チェーンブロックでスタッドリングを引っ張り、凹んだパネルを出していきます。
全体の面出しが終わりましたら、スタッドリングを外し
引っ張り出せていない周りの部分を1点ずつスタッド溶接で引っ張り出していきます。
少し出すぎている部分をハンマーで叩いて低くしていきます。
この作業を行う中、鈑金箇所は鉄の性質上伸びてしまいますので、業界用語の”絞り”と呼ばれる、伸びてしまった箇所に熱を加え、その熱が冷めることで鉄を縮めていく作業を同時に行いながら、鈑金箇所を調整していきます。
スタッド溶接が終わりました。
ここからは前回同様、パテを盛って研磨して、元の素地にしていく作業です。
邪魔になるのでタイヤを外し
パテを盛るための研磨作業を行います。
マスキング&脱脂を行い
パテを盛っていきます。
凹みの面出しは行いましたが、今回は中間→細地とパテの種類を分けて仕上げていきます。
まずは研磨部分全体に中間パテを盛っていきます。
この後細地パテで仕上げていくため、中間パテはしっかり盛って土台を作っていきます。
中間パテを盛り終わりましたので、
パテの硬化後、研磨して全体の面を出していきます。
研磨が終わりましたら、この上から細地パテを盛って仕上げていきます。
この凹みの部分は元々縦にプレスラインが入っていましたので、プレスラインに沿ってマスキングし、左右を分けてパテ盛り&研磨していくことで、最終的にプレスラインもしっかりと出るような完成を目指します。さすがはプロの技ですね。
左側のパテ盛りが終了しましたので、
パテの硬化後、研磨し仕上げていきます。
左側が完成したら同様に右側にもパテを盛り
同様に、硬化後研磨して仕上げていくのですが、
このタイミングで、ドアを外すこととしました。
その後、しっかりと面が出るように研磨を行い
作業終了。
一番凹みが激しかった部分もうまく鈑金できました!
プレスラインもこの通りしっかりと再現。
これでボディの鈑金は完成です。
次回は、塗装に向けた、車内パーツ&ガラス類の取り外し作業をお届けします。
「ソフト99 AE86 1984 再生プロジェクト」次回もどうぞお楽しみに。
ここまでの作業はコチラの動画でもダイジェストでご覧いただけます。↓↓↓